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日本に生息するしじみの生態や特徴。漁獲量のほとんどを占める「ヤマトしじみ」の正体とは

しじみの特徴 日本に生息するしじみの生態や特徴。漁獲量のほとんどを占める「ヤマトしじみ」の正体とは

「しじみ」にはいくつか種類があるのですが、今回はその中でも代表的な「セタしじみ」「マシジミ」「ヤマトしじみ」についてご紹介します。実は生息域によって生態が異なるのです。身のしまり方や味わいにも個性があります。

日本在来のしじみは3種類

日本在来のしじみは3種類

(引用画像:社団法人 日本水産資源保護協会「わが国の水産業」)

日本にはもともと、「セタしじみ」「マシジミ」「ヤマトしじみ」の3種類が存在しています。見た目は似ていますが、生態が全然違うんです。

琵琶湖の固有種として知られるセタしじみ。かつては小川に多く生息し、河川改修や護岸工事で希少種となったマシジミ。そして、現在日本の漁業資源を支えているヤマトしじみ。

この3種類の特徴や違いについてなどを、ぜひおぼえてくれたらなと思います。

セタ
しじみ
マシジミヤマト
しじみ
主な
生息域
琵琶湖小川や水田付近汽水域
殻の
光沢
つよいよわいつよい
殻の
内側
濃紫白紫

セタしじみ

1960年代までは、滋賀県の琵琶湖にたくさん生息していたといわれるセタしじみ。汽水域で育ったヤマトしじみとは、また違った身の味わいがあります。身がたっぷりと太って美味しくなる冬シーズンは「寒しじみ」とも呼ばれています。かつては食卓に身近な食材でしたが、現在では漁獲量が減少しています。

マシジミ

残念ながらいまでは絶滅危惧種にも指定されているマシジミは、かつて全国の小川や用水路に生息し、地元住民たちによって食されていたといいます。もっとも、食用しじみとして親しまれていたのはヤマトしじみのほうで、マシジミはけっして食卓に馴染みのある食材ではないのですが、日本在来種の一つがなくなってしまう可能性があるというのは、とても寂しいことですね。

ヤマトしじみ

南は九州、北は北海道の汽水域に幅広く生息している二枚貝がヤマトしじみです。海水と真水のまざりあう過酷な汽水域。そんな環境でも耐えられるからこそ、ヤマトしじみは大量に生息できるのです。近年はしじみの健康作用に大きな注目が集まり、健康食品ブームの後押しもあってか、非常に需要が増大しているといわれています。

北海道の網走湖で獲れるのはヤマトしじみです。極寒の網走湖で育ったしじみだから、身がぎっしり、旨味もたっぷり!

ヤマトしじみの生態や特徴

ヤマトしじみの生態や特徴
(↑写真はヤマトしじみが獲れる網走湖)

ヤマトしじみはどんなものを食べているの?

ヤマトしじみは、エラでプランクトンをろ過して栄養を取り入れています。「唇弁」という口のような器官が、エサを繊細に区別して、エサとして価値のないもの(無機懸濁物)を「偽糞」として排出。この営みを繰り返しながらヤマトしじみは日々生きています。

無機懸濁物とは、土砂に由来するもので、プランクトンのような有機懸濁物とは違って栄養にならないため、偽糞の排出量が増えれば増えるほどヤマトしじみのエネルギー消費量が増大し、品質に影響を及ぼすといわれています。

ヤマトしじみはどんなふうにして繁殖するの?

ヤマトしじみの産卵期は、7~9月。オスが精子を、メスが卵子を水中に放出して受精を行います。

受精した卵は、ふよふよと流されるまま水中を漂い、やがて「幼生」へと変化。わずか1週間ほどで殻ができ、「稚貝」にまで成長します。水底に沈んで身体を固定し、プランクトンをもりもり食べてぐんぐんと大きくなっていきます。

ちなみに外観からヤマトしじみのオス・メスを区別するのは非常に難しいですが、中身をパカッと開けてみてみると、生殖巣の色ですぐに見分けることができますよ。オスは白色で、メスは青黒い色です。

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