知床といえば、世界遺産が有名です。386.3km2にも及ぶといわれる広大な面積の中には、さまざまな種類の野生動物や貴重な植物が数多く自生しています。
今回は知床が世界遺産となった理由を、網走湖でしじみ漁業を行う嶋田漁業部が簡単にわかりやすく解説します。知床の世界遺産の特徴はもちろんのこと、世界遺産エリア内のおすすめ観光スポットも確認しておきましょう。
目次
知床が世界遺産になった理由を簡単に解説
知床が世界遺産になった理由としては、豊かな生態系が育まれていることが一番の理由として挙げられます。
主に流氷が育んだ豊かなプランクトンや魚類、海鳥類などの海洋生態系に加え、原始性の高いヒグマやエゾシカなどの陸息生態系の相互関係などがあることも関係しているようです。
さらに、シマフクロウ、シレトコスミレなどの世界的に希少な動植物やサケ科魚類、海棲哺乳類などの重要な生息地を多く有していることも評価される基準のひとつとなりました。
知床が世界遺産になったのはいつ?
知床が世界遺産になったのは、2005年7月17日のことでした。当時、南アフリカ共和国ダーバンで開催されていた「第29回ユネスコ世界遺産委員会」で世界遺産の登録が決まったのです。
実際のところ、知床を世界遺産に登録するための取り組みは1994年から行われていたといいます。その後、土地保全のための募金や森林再生事業を本格的に開始し、それから10年後の2004年にようやく世界遺産センターに世界自然遺産推薦書を提出。
国際自然保護連合(IUCN)による現地調査が始まり、知床の自然環境が評価され、知床の世界遺産一覧表への記載が決定しました。
知床の世界遺産の特徴と魅力
さまざまな特徴がある知床の世界遺産。ここでは、知床の世界遺産の特徴とその魅力をご紹介します。
流氷と関連する独特の生態系を形成
知床は、流氷が毎年接岸する北半球の中では世界最南端の地として有名です。そんな知床の海には、流氷で運ばれてきた植物プランクトンが豊富に存在しており、魚類や海鳥類、鯨類などの海洋生物の食物連鎖を形成しています。
国際的に希少な動物が多く生息
知床には、オオワシやオジロワシ、シマフクロウなど国際的にも希少な動物たちが多く生息している地域です。特にオジロワシ、シマフクロウは知床が繁殖地、オオワシは越冬地となっているため、希少な動物を間近で観察することができます。
大型哺乳類が生息
知床の森には、ヒグマやエゾシカなどの大型哺乳類も生息しています。特にヒグマの世界でも有数の高密度生息地域として有名で、知床には400~500頭のヒグマが暮らしているのだとか。そのため、知床を代表する野生動物のひとつとなっています。
多様な植生環境が分布
知床は、北側と南側の気象条件の違いなどから植生の垂直分布にも相違が見られるため、さまざまな植生環境が分布しています。海岸付近ではハマナスなどの温帯植物を、低地帯ではミズナラなどの冷温帯性落葉広葉樹林、山地帯ではダケカンバなどの亜高山帯植物を見ることが可能です。
知床を訪れたら絶対見るべき!世界遺産エリア内おすすめ観光スポット7選
知床に訪れたら、絶対見るべき場所があります。ここでは、知床世界遺産エリア内でおすすめの観光スポットを7つご紹介しますので、知床観光をする際の参考にしてくださいね。
①知床五湖
知床五湖は、知床の原始林の中にある5つの湖です。エゾシカやヒグマなどの野生動物たちの生息地でもあるため、稀にその姿を目にすることもできます。
雄大な自然を安全に楽しめる「高架木道」と、静かな自然に触れられる「地上遊歩道」を散策しながら、知床連山やオホーツク海を眺めることが可能です。
②知床峠
知床峠は、ウトロと羅臼をつないでいる知床横断道路の頂上に位置する標高738mの峠です。7月下旬という夏の時期でも、一部に残った雪が見られるのが特徴。
天気が良い日であれば、羅臼岳から北方領土の国後島までの広大な景色を見渡すことができます。
③羅臼岳
羅臼岳は、知床半島にある標高1,661mの火山群の主峰です。別名「知床富士」とも呼ばれ、日本百名山にも選定されています。
さらに「花の百名山」と「新・花の百名山」にも選ばれたことがあり、シレトコスミレやエゾコザクラなどの高山植物を見れるのが特徴です。
④プユニ岬
プユニ岬は、国道344号線沿いにある夕日の名所として有名な岬です。オホーツクの海岸線やウトロ港が一望でき、さらには阿寒摩周国立公園の山まで見渡すこともできます。
また、冬の季節には、オホーツク海の中でも一番に流氷の着岸が眺められる場所としても人気のスポットです。
⑤オシンコシンの滝
オシンコシンの滝は落差約80mで、途中から水の流れが2つに分かれているのが特徴的な滝です。
滝の中間位置くらいの高さまで階段で上がれるようになっているため、目の前で迫力のある滝のしぶきを体感できます。
⑥カムイワッカ湯の滝
カムイワッカ湯の滝は、山から湧き出た温泉がカムイワッカ川にそのまま流れ込んでいるという非常に珍しい滝です。
滝の水温は30度ほどで、川を登るほど水温は高くなります。かつてはこの場所に露天風呂があったようですが、落石が原因で現在は封鎖されているようです。
⑦フレペの滝
フレペの滝は、プユニ岬の東側の断崖からオホーツク海へと流れ落ちる滝です。滝が涙のように斜面を流れるその姿から、別名「乙女の涙」とも呼ばれています。
知床自然センターから遊歩道を歩いて、片道20分ほどで到着するところにあり、遊歩道周辺の草原ではエゾシカなどの野生動物を観察することが可能です。
さいごに:知床の世界遺産は見どころがたくさん!
知床が世界遺産に登録された理由は、豊かな生態系が育まれていることが一番の理由のようです。海洋生態系と陸息生態系の相互関係はもちろんのこと、希少な動植物がたくさんいることも評価される基準となったのでしょう。
そんな知床の世界遺産エリアには、絶対に見るべきおすすめの観光スポットがたくさんあります。改めてもう一度確認しておきましょう。
- 知床五湖
- 知床峠
- 羅臼岳
- プユニ岬
- オシンコシンの滝
- カムイワッカ湯の滝
- フレペの滝
知床の世界遺産を観光で訪れる際には、オホーツク近郊にある宿泊施設を利用するのがおすすめです。
実は嶋田漁業部の「しじみ粥」が、斜里町の「北こぶし」さんと中標津町の「湯宿だいいち」さんで販売しています!
北こぶしさんの魅力はホテル最上階にある展望大浴場です。海原を行き交う漁船や観光船、冬の時期には水平線に広がる流氷に埋め尽くされたオホーツク海を見ることができます。さらに館内には、ミニ流氷館という展示スペースも。通常1~3月の間にしか見られない流氷が、宿泊するだけで通年見られるのでおすすめです。
そして、湯宿だいいちさんの魅力は3つの露天風呂。男湯には、樹齢数百年を超えるカナダ桧のスプルスを削り出した特注の丸太風呂があり、女湯には自然に積み上げられた岩石で造られた露天岩風呂があります。岩造りの混浴露天風呂もあり、川の流れを楽しみながら広々とした露天風呂で優雅なひとときを過ごせますよ。
網走川を通じてオホーツク海と結ばれている網走湖で八月に採れたしじみを使った、しじみの旨味がたっぷり詰まった贅沢なお粥です。お土産としてはもちろんのこと、身体を労わりたい大切な人への贈り物として購入してみてはいかがでしょうか。
最後に網走湖で採れるしじみが気になるという方は、ぜひ嶋田漁業部のブログをチェックしてみてくださいね。
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