しじみに関するお話をしようとすると、聞いたことない単語だらけになりますね(笑)皆さんに知ってもらうために、噛み砕いて解説させてください。少しでも興味を持っていただけると、嬉しいです。
河川感潮域は、淡水と海水が混ざった水域のこと
河川感潮域とは河川の下流域や河口近くの淡水と海水が混じり合う水域のことです。上流から流れてくる川と、海から遡上(そじょう)してくる海水により絶え間なく環境が変化しています。
河口域にはしじみが生息しており、川から海に向けての塩分勾配(こうばい)が強く関係しています。
河川感潮域と汽水湖の違い
汽水とは淡水と海水が混ざった水であり、それが溜まったものが汽水湖。河川感潮域は淡水と海水が混ざる水域のことなので、河川感潮域の中に汽水湖ができる可能性もあるわけです。
汽水湖について詳しく知りたい方は、以下の記事で解説していますのでご覧ください。
河川感潮域の3つのパターン
河川感潮域は、川の流れと海水増減(満潮・干潮)の影響を両方受けるため、かなり変化しやすい環境なんです。特に、塩分の分布が複雑なパターンになるので、ここでは代表的な3つのパターンを紹介します。
弱混合型
その名の通り、混ざる割合が少ない状態のことです。密度の大きい海水が下に沈み、その上に淡水が乗っかっているような形になります。2つの水層に明瞭な塩分の成層が出ることが特徴です。
簡単に言うと、地層の水バージョンですね。イメージ的には塩分が0か1かくらいハッキリしてます。
緩混合型
弱混合型と強混合型の中間点に位置する型です。等塩分線は陸に向かって斜めに傾いており、グラデーションのように塩分の濃さが薄くなっていきます。
強混合型
その名の通り、混ざる割合が多い状態です。等塩分線は縦割りになり、水平方向に明瞭に存在する状況になります。この型ではヤマトしじみの生息が困難であると言われており、ひいては嶋田の敵です(笑)
ヤマトしじみの漁獲量が激減している
(引用:ヤマトしじみの減少原因と対策)
1900年代半ばに比べ、現在のしじみ漁獲量は激減しています。要因としては、しじみが生息する河川感潮域の環境の変化と言われており、これに伴いしじみ漁も激減した歴史があります。
嶋田漁村部がしじみ漁をさせていただいている網走湖は、全国的にしじみ漁獲量が安定している数少ない漁場と言われています。これは、北海道会開発局網走開発建設部というところが塩淡境界層を制御する制御施設を設置してくれたことが一つの理由なんです。
現在では河川法の改正や、自然再生法の制定などにより河川感潮域の自然再生を図る動きが全国で出てきています。嶋田も、しじみを愛するしじみバカとして皆さんにこの現状を知って欲しくて、筆を取りました。
皆さんの食卓にしじみを届けるために、少しだけ興味を持ってくれると嬉しいです。