しじみは有性生殖の生物なので、当然ですが雄と雌がいます。
今回の記事では、ヤマトしじみを例に出して、雄雌の見分け方をご紹介!
この記事を読めば、あなたもしじみの仕分けができますよ(笑)
雄と雌の違いは中身の色でわかる
引用:中村 幹雄,シジミ学入門,山陰中央新報社,2018年 初版
ヤマトしじみの雄と雌の違いは、外見ではわかりません。貝殻の中身の生殖巣の色で判別します。
雌は卵巣に卵がぎっしり詰まっているため黒く、雄は精巣に精子が詰まっているので白く見えます。また、産卵期はパンパンに膨らむので、一番美味しく食べられる時期です。
ヤマトしじみの産卵期はおよそ7月〜9月で、膨らみ具合は7月に入ってから急激に増加、8月中旬にピークを迎え、9月に入るとほぼ横ばいの状態が続きます。
また、生殖巣の色は雌5月〜8月頃まで判別可能で、11月を超えると雌雄の判別が困難なほど色の違いが無くなります。
肉眼による軟体部観察法
(引用:中村 幹雄,シジミ学入門,山陰中央新報社,2018年 初版)
軟体部観察法では、肉眼で軟体部の膨らみ具合を観察して、1〜5段階で数値化しておおよその産卵期を推定する方法です。見た目でわかりやすいことから、一般の方から漁業者など広く使用されている方法なんです。
非常に手軽な方法なのですが、問題点もあります。
- 産卵期以外での雌雄の判別が困難なこと
- 人により膨らみ具合の判断が異なること
- 得られたデータは科学的根拠に乏しい
などなど、あくまで簡易的な手段ということを覚えてくれると嬉しいです。
より正確な産卵期や、客観的なデータで予測する方法として「軟体部指数法」、「組織学的観察法」などがあります。こちらも別の記事で解説していますので、気になったしじみマニアの方はぜひご覧ください(笑)
しじみの性比は1:1
性比とは、有性生殖を行う生物の雄と雌の割合です。
性比は生物の種類によって偏りが見られるんですが、人間のような哺乳類やカラスなどの鳥類はおよそ1:1(雄:雌)の割合になるそうなんです。
しじみ専門書の調査によると、宍道湖産ヤマトしじみを941個選別した時に、雄485、雌456とおよそ1:1となったそうです。
性比が人間と同じだと思うと、ちょっとしじみへの親近感が湧きませんか?