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場所によって服が変わる?意外とオシャレなヤマトしじみの見た目と中身を解説

しじみの特徴 場所によって服が変わる?意外とオシャレなヤマトしじみの見た目と中身を解説

皆さんはしじみをまじまじと見つめたことはありますか?

あるのは漁業関係者の方だけだと思います(笑)

ですが、しじみには個性があり、あの小さなボディに様々な臓器が詰まっています。住む場所によって、殻の色が変わったり、合理的に形を変化させたりととても面白い生物なんですよ。

今回はしじみの見た目と中身、そして個性について語らせてください!

外部形態:しじみの背中は細い方

外部形態:しじみの背中は細い方

ヤマトしじみの殻の大きさは、「殻長」、「殻幅」、「殻高」の部位に分けて計測します。殻の表面には、円心状の成長線が刻まれていくので、どれくらい長生きしているかがおおよそわかるんです。(木の年輪見たいなものですね)

しじみの殻は「前後」、「左右」そして「背腹」に分けられます。

「しじみの背中ってなに?」と思われる方もいると思います。でも、ちゃんとしじみにも背中とお腹があるんです。しじみの殻の上下を繋ぐジョイント部分を靭帯と呼びます。この靭帯がある方が背中側(細い方ですね)。

内部形態:小さなボディに多くの臓器

内部形態:小さなボディに多くの臓器

殻を開き、全面を覆っている外套膜(がいとうまく)を剥がすと、2枚のエラがあります。なんとしじみはエラ呼吸なんです。そのエラと下にある薄い膜を取り除くと、ヤマトしじみの生殖線消化器官が観察できます。

これ、実は結構革命的なことで、元々解剖図鑑などにヤマトしじみは載ってなかったんです(ハマグリは載ってました)。ですが、近年になってしじみの解剖図が発表、あの小さい体の中に様々な消化器が入っていることが判明しました。

当たり前ですが、しじみにも心臓があり、胃があり、腸があります。また、口も肛門もありれっきとした生物なんです。味噌汁の具材として入っているしじみ、小さいですが、こんなにもいろんな臓器が詰まっていたんです。

ヤマトしじみの個性:川と湖でこんなに違う

ヤマトしじみの個性:川と湖でこんなに違う

引用:中村 幹雄,シジミ学入門,山陰中央新報社,2018年 初版

さて、外側の殻と、内側の臓器のお話をしましたが、実は同じヤマトしじみでも、生息場所によって個性があるんです。その個性は、外側の殻に現れます。

泥底に生息するシジミは黒色(黒しじみ)、河川に生息するしじみは茶色から黒にかけてのグラデーションがかかっており(べっこうしじみ)、砂底に生息するシジミは黄色(黄金しじみ)と、それぞれ殻の色に個性が現れるんです。これには硫黄の量が関係していると言われています。

また、湖と川では殻の形も異なります。一般的に川は潮汐(ちょうせき)によって塩分濃度が変化します。川のしじみは塩分が高くなった時には砂底に潜り、低くなった時には餌を求めて表面まで出るという行動をすることから、平べったい形に最適化されていったわけですね。

湖のしじみには、セコハゲと呼ばれるしじみがいます。これは汽水湖で多く見られ、湖底の泥含有量が多く酸素が少ない環境で発生します。セコハゲが多く見られるような場所では、底質環境が悪化している可能性があるため、改善策を考えなければいけません。

このように、同じヤマトしじみでも多くの個性があるんです。あなたの街のしじみは、どんなしじみですか?

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