先日、「しじみって網で一気に取ってるの?」と質問されました。
毎日のルーティン過ぎるため考えてもみませんでしたが、結構珍しい方法でしじみ漁を行っていることに気付いた嶋田です。
今回はちょっとマニアックな話ですが、実際のしじみ漁がどのように行われているかを紹介させていただきます!
目次
しじみ漁は基本的にはジョレン曳き(ひき)で行われる
現在のしじみ漁では、ジョレン(鋤簾)と呼ばれるカゴのようなものをひき、獲ることが一般的とされています。
このやり方は多種多様で、地域によっても細かく異なります。大きくは3つの漁法に分かれるので、代表的な方法は次の見出しで紹介させていただきますね。
しじみのジョレン曳きには3つの漁法がある
入り掻き
「入り掻き」とは、水深の浅い砂場で、漁師自身が湖の中に入る方法です。ジョレンに腰ひもをつけて人力で引くため、最も労力を要します。現在では島根県にある宍道湖の浅瀬や、神西湖などで行われています。
手掻き
「手掻き」は、船を止めて船上から長い竿を使ってジョレンをひく方法です。水の流れや風の力など自然の力を利用する方法なので、天候や湖の環境に大きく左右される方法になります。現在では、北海道の天塩川や、茨城県にある涸沼、鳥取県にある湖山池などで行われています。
機械掻き
「機械掻き」とは、つな掛けとも呼ばれる方法で、ジョレンの竿にロープをかけて、そのまま船を動かして漁獲する方法です。
他の2つに比べて操業効率は良いですが、その分制限も多い漁法となります。例えば、他の方法に比べ操業時間が1時間短く規制されている、漁船の大きさやエンジンの馬力を制限するなど。
現在では、青森県の十三湖、小笠原湖、濃尾平野にある木曽三川など多くの場所で行われている方法になります。
網走湖もこの機械掻きに含まれるのですが、ちょっと珍しい方法で行っているので次の項目で紹介させていただきますね。
網走湖では噴流式ジョレンでしじみ漁を行っていた
実は網走では先ほど紹介したジョレン曳きの中でも非常に珍しい方法で漁をしているんです。漁法としては機械掻きに分類されますが、実際は噴流式ジョレンと呼ばれる独自の方法です。
昔は【ホースで海水を吸い上げる➡その海水を網に向かって噴流する➡船を動かして網をひく】というやり方でしじみを獲っていました。それが昔なじみの噴流式ジョレンです。しかし最近では更なる進化を見せ、現在では「プロペラ」を使用した方法へと変化しています。
全国でも珍しい!網走湖の「プロペラ」を使用したしじみ漁法
嶋田がしじみ漁を始めた時からは、「プロペラ(通称ペラ)」を使用した方法でしじみ漁をしています。
元々は、水の中で水を出す「噴流式」だった網走湖のしじみ漁ですが、今ではプロペラによる水流でジョレンの中にしじみを送る非常に珍しい方法に。全国のしじみ漁師が集まるシンポジウムでも注目を集めました。
この方法により、1日に約80kg以上のしじみを獲ることが可能となり、船に上げる前に泥を落とせる利点もあります。網走湖の漁師が全国的に見ても漁獲量が多いのは、ペラを使用しているからなのでしょう。
このように、しじみ漁も時代と共にアップデートを続けています、嶋田も第一線で走り続けられるよう勉強していきますので、引き続き嶋田漁業部をよろしくお願いします!