「エネルギー問題が発生しています」、「資源量が深刻です」
そんな言葉がよくニュースで見られる昨今、これはしじみも例外じゃ無いんです。
今回は、しじみを含めた水産資源についてのお話をさせていただきます。
「難しそう」と思われるかもしれませんが、最大限噛み砕いてお伝えさせていただきますので、興味をお持ちの方はぜひご覧ください。
目次
水産資源とは、人間が漁業として利用している魚介類のこと
一般的に、水産資源は「水中に生息している魚介類のうち、人間が漁業として利用しているもの」のことを指します。反対に、人間が漁業として利用していないものは資源とは呼ばれません。
昔は「海の水産資源は無限である」と言われていました。もちろん迷信なのですが、それだけ多くの魚や海、海藻類などが獲れていた時代だったのでしょう。現在ではあなたもご存知の通り、「水産資源は有限である」という考えが根付いています。
この有限である水産資源を枯渇させない為には、5つの特性を知っておく必要があります。次の見出しでは、その特性をわかりやすく解説させていただきますね。
水産資源の特性5つ
水産資源の特性は大きく5つあります。
- 生物資源であること
- 無主物であること
- 環境の影響を受けやすいこと
- 均一に生息していないこと
- 気象の影響を受けやすく資源量の変動が大きいこと
それぞれどういうことか一つひとつ見ていきましょう。
生物資源であること
鉱物などの資源は、使ったら使った分だけ無くなっていきます。ですが、生物資源は子供を産み、成長することで資源の再生が可能です。単純計算なら、子供を産む量より少ない数を獲れば、資源が無くならないということになります。
無主物であること
農業や林業と異なり、基本的に水産業は持ち主のいないものを獲ることになります。そのため、何のルールも無いと早い者勝ちであっと言う間に資源が枯渇してしまうんです。そこで、水産資源は資源管理、漁業管理が厳しいものとなっており、基本的には漁業法という法律で守られています。
漁業法や漁業権についての解説は以下の記事で行っておりますので、興味をお持ちの方はご覧ください!
環境の影響を受けやすいこと
以前の記事で、汽水湖の温度や塩分濃度の変化でしじみが死んでしまったことをお話しました。このように、水産資源は環境の影響を特に受けやすい資源になります。環境がその生物に適していれば大繁殖し、環境が適さなければ減少していくため、特に気を遣う必要があるんです。
均一に生息していないこと
他の特性に比べてイメージし辛いかと思います。簡単に言うと、湖毎で獲れるしじみの量が違うといったイメージです。生息量、資源量が時期や場所により異なり、生産資源であることから正確な量を測定することは難しいんです。
気象の影響を受けやすく資源量の変動が大きいこと
環境の影響と似ている部分ですね。水産資源は非常に気象の影響を受けやすいです。例えば、大雨が降れば水量が変わります。水量が変われば汽水湖の塩分濃度が変わってしまいます。その他にも溶存酸素量、水温などに大きな影響を及ぼすのが気象なんです。
SDGsにも組み込まれている
水産資源に関しては、「持続可能な開発目標」として知られるSDGsの14番目にも記載されています。
「海の豊かさを守ろう」と銘打たれたこの項目は、まだまだ課題が山積みです。ですが、少しでも良くなるように、ひいては今の環境を壊さないように気をつけながら嶋田も漁をしています。
あなたの食卓に安心・安全なしじみや魚をお届けするために嶋田は頑張るので、これからもよろしくお願いします!
そして、少しでも水産資源のことを想っていただけると、とっても嬉しいです。