ヤマトしじみの生殖は、雌が卵を産み雄が精子をかける鮭のような方式です。
では、ヤマトしじみの雌はどのようなサイクルで卵を産んでいるのでしょうか?
各段階の特徴や条件、放出する卵の数について解説します!
ヤマトしじみの産卵、6つの段階
ヤマトしじみ雌の生殖巣の成熟過程は、以下の6つに分けられます。
休止期 | 冬の間は産卵を行わず休止する |
成長前期 | 季節は春頃で、生殖細胞が出来始める時期 |
成長後期 | 成長し夏に差し掛かる頃、生殖細胞が増える |
成熟期 | 成熟し身が詰まっており、最も美味しい時期 |
放出期 | 産卵期で、生殖活動を行う |
放出終了期 | 放出終了後は再び休止期へ |
雄の成熟過程も(細部は異なりますが)、6つの同じ段階を経て放精に至ります。
産卵の条件は水温にあった
ヤマトしじみの産卵は、一定の条件下でしか行われません。その条件のひとつが、「水温が25℃以上であること」。北へ行けば行くほど水温は低くなるので、その分産卵期もずれ込みます(嶋田が漁をさせてもらっている網走湖では、7月中旬〜9月下旬に産卵期を迎えています)。
また、塩分濃度が低すぎる場合も産卵されないことがあります。これは、汽水湖に適応したヤマトしじみならではの特徴ですね。
汽水湖については、以下の記事で解説しておりますので、興味をお持ちの方はご覧ください。
雌が放出する卵の数は数十万個!?
ヤマトしじみの雌は、一年の産卵で約30万〜90万個の卵を放出すると考えられています。放卵は通常30分から1時間と言われていますが、時には数時間かかることもあるようです。また、卵は放出直後は細く、糸状なのですが、約30分で球体となり、完全な成熟卵となります。
こうして産卵した卵に対し、雄が放精を行うことでしじみの子供が生まれていきます。
では、ヤマトしじみはどのようにして生まれるのか?
それは、別の記事でお話します。