「ほんだしとか見かけるけれど、出汁って何が違うの?」
料理をしていると、一度は浮かぶ疑問だと思います。特に日本料理は出汁を使っているものが多く、味付けで必須になることも。
そこで今回は、出汁の種類から取り方、市販でのものまで紹介させていただきます。料理のバリエーションを広げるためにも、ぜひ参考にしてください!
それでは早速見ていきましょう。
目次
いろんな料理に使える出汁8種
早速出汁の種類を見ていきましょう。今回紹介する出汁は8種類!
1. かつお出汁
かつお出汁は最もメジャーな出汁の一つで、和食の多くに使用されます。市販でも使いやすい顆粒タイプとして売られていることも多く(「ほんだし」など)、汁物によく合います。
かつお出汁がぴったりな料理は以下の通り。
- 味噌汁
- 炊き込みご飯
- だし巻き卵
本格的なかつお出汁を取りたい方は以下の手順でできます。
- 鍋に1Lの水を入れ、火にかける
- 沸騰したら火を止めて、削り節30gを入れる
- 1〜2分放置する
- キッチンペーパーや布を敷いたザルで出汁をこし、1分間おいて完了
2. 昆布出汁
昆布出汁には、後述する「うま味成分」が多く含まれており、産地によって出汁の味が変わるほどの個性を持ちます。鍋などとの相性もよく、出汁が取りやすいのもポイントですね。市販品としては、液体の「昆布だし」などが売られています。
昆布出汁がぴったりな料理は以下の通り。
- おでん
- にゅうめん
- 石狩鍋
- 鍋に1Lの水と、昆布10~20gを入れる
- 30分~1時間放置する
- 中火で加熱し、鍋の底から小さな泡が立ち始めたら火を止めて、昆布を取る
3. かつおと昆布の合わせ出汁
和食としての味の深みと、風味を出したいのであればかつおと昆布の合わせ出汁がオススメです。かつお出汁同様、顆粒タイプのものが市販であり、簡単に使用できます。
かつおと昆布の合わせ出汁がぴったりな料理は以下の通り。
- おすまし(すまし汁)
- 温かいそば
- 和風たらこスパゲッティ
- 鍋に1Lの水と昆布10gを入れる
- 30分〜1時間放置する
- 中火で加熱し、鍋の底から小さな泡が立ち始めたら火を止めて、昆布を取る
- もう一度加熱して、沸騰したら火を止め、削り節(かつおぶし)20gを入れる
- 2分間放置して、キッチンペーパーか布を敷いたザルでこす
4. 野菜出汁
実は野菜の皮、ヘタなど、本来捨ててしまうところから出汁が取れます。他の出汁に比べ栄養価が高いことがポイントです。にんじんの皮、たまねぎの皮、しいたけの軸は甘みが出るので特にオススメ。
少しレアですが、細粒タイプのものや液体タイプのものも市販されています。
野菜出汁がぴったりな料理は以下の通り。
- 煮込みハンバーグ
- ポトフ
- チャーハン
- 鍋に野菜と水を入れる
- 中火で30分ほど煮込む
- 色が出たらキッチンペーパーや布を敷いたザルでこす
5. 煮干出汁(いりこ出汁)
煮干出汁とは、一般的にはイワシの煮干しから出汁を取ったもののこと(別名いりこ出汁)。かつお出汁に比べ香りが強く、より海鮮の風味を楽しむことができます。「にぼしだし」や「いりこだし」の名前で売られていることが多いため、探す時はご注意ください。
煮干出汁がぴったりな料理は以下の通り。
- 煮干しラーメン
- うどん
- ペペロンチーノ
- 煮干しの頭と腹の黒いワタを取り除く
- 鍋に1Lの水と煮干し20g入れる
- 30分放置する
- 中火で加熱し、沸騰したら弱火にしてアクを取る
- 5~10分放置する
6. しいたけ出汁
しいたけから取った出汁もうま味成分が多く味わい深いためオススメです。火を使わず、放置しておくだけで出汁が取れるため作りやすい点も嬉しいポイント。「しいたけ だしの素」「しいたけ粉末」などの名前で売られていることが多いです。
しいたけ出汁がぴったりな料理は以下の通り。
- お吸いもの
- 炊き込みご飯
- 煮物
- 干ししいたけを洗い、汚れを落とす
- 密閉容器に冷水と干し椎茸を入れ、冷蔵庫に入れる
- 一晩寝かす
- キッチンペーパーや布を敷いたザルでこす
7. あご出汁
あごとはトビウオのこと。あご出汁は「一本筋が通っている」というほど、口当たりの良い出汁になります。「焼きあごだし」や「あごだしつゆ」などの名前で販売されています。最近では鍋の素としても売られていますね。
あご出汁がぴったりな料理は以下の通り。
- ほうれん草とかまぼこの味噌あえ
- お雑煮
- 焼あごだし鍋
- 焼あごの頭とハラワタを取り除き、身を縦に切る
- 鍋に水1Lと焼あご30gを入れ、冷蔵庫で1時間〜半日放置する
- 鍋を中火にかけ、沸騰したらアクを取り除き、弱火で5分煮る
- キッチンペーパーや布を敷いたザルでこす
8. しじみ出汁
海鮮らしい貝のうま味がギュッと詰まったしじみ出汁も、メジャーな出汁の一つです。他の出汁に比べ砂出しの手間がありますが、その分美味しい出汁を取ることができます。市販のものだと「しじみだしの素」「濃縮 しじみ汁」などの名前で売られていますね。
しじみ出汁がぴったりな料理は以下の通り。
- しじみ汁
- お粥
- しじみラーメン
- 塩分濃度1%の塩水を作る
- 浅いザル塩水としじみを入れて、一晩寝かせる(ここまでが砂抜き)
- 鍋に水1L、しじみ400gを入れて火にかけ沸騰させる
- 火を弱めアクを取る
しじみ汁の作り方は、以下の記事でも紹介しておりますので、ぜひご覧ください
いまさら聞けない疑問。出汁って何?
そもそも出汁とは、食材を煮込んだ際に出る「うま味成分」を含んだ液体のことをいいます。うま味と聞くと、おいしさや味の深みのことと思うかもしれませんが、実は明確な違いがあります。
うま味は酸味や甘味、苦味などと同じ位置にあり、科学的根拠のある基本味の一つです。グルタミン酸やイノシン酸などがあり、詳しい内容は以下の記事で解説しておりますので気になる方はあわせてご覧ください!
出汁をとるときのポイント
出汁を美味しく取るためには、いくつかのポイントがあります。
- アクを放置せずしっかり取る
- 煮込みすぎない(特に昆布)
- しっかりザルでこしてから使う
- 昆布は水洗いしない
- かつお節は絞らない
など。
まずは市販の物を試して、ざっくりと味を覚え、その後出汁取りにチャレンジしてみる方法がオススメです。やってみると意外と簡単で、お金もあまりかからないのでぜひトライしてみてください♪
まとめ
今回は出汁の種類、取り方とポイントについてお話しさせていただきました。最後にそれぞれの出汁の種類を振り返りましょう。
- かつお出汁
- 昆布出汁
- かつおと昆布の合わせ出汁
- 野菜出汁
- 煮干出汁
- しいたけ出汁
- あご出汁
- しじみ出汁
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