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しじみが砂を吐かない!砂抜きでよくあるトラブルの原因と解決方法を教えます

しじみ料理 しじみが砂を吐かない!砂抜きでよくあるトラブルの原因と解決方法を教えます

しじみが砂を吐かない原因は必ずあります。基本的には「砂抜きでやってはダメなこと」を一つひとつ潰していけば、砂抜きがスムーズにいくようになりますよ。

今回は、しじみが砂を吐かないときに考えられる原因を7つ挙げました。最後に正しい砂抜きの手順も紹介しますので、いままさに「砂を全然吐かない!なぜだ!」とパニックになっている方は必読ですよ(笑)

しじみが砂を吐かない原因7つ

しじみは環境にとても敏感な生き物。しじみの砂抜きでは、しじみが気持ちよく砂を出す環境を整えることが大切です。たった一つ間違えただけで、しじみがヘソを曲げてしまうので注意しましょう。

①塩分濃度が高すぎる

水1000ccに対して塩は小さじ2杯の分量が適当といわれています。塩分濃度が濃すぎると、活動が鈍くなるばかりでなく、死んでしまう恐れも。もともとしじみは海水と淡水が絶妙なバランスで入り混じる「汽水湖」で育つ生き物です。塩水で塩抜きするのは、しじみに適切な環境を再現するためなのです。

②しじみ同士が重なっている

ぎゅうぎゅう詰めにしじみを敷き詰めて砂抜きしていませんか?しじみ同士を重ねると、上のしじみが吐き出した砂を下のしじみが吸い込んでしまうため、砂抜きがうまくいきません。

③水の量が多い

「しじみは水の中で過ごす生き物なんだから水の量が多くても問題ないのでは?」と考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、ぎっしりしじみ同士が並んだ状態だと、水中の酸素濃度が薄くなり、窒息を引き起こしてしまう可能性もあるのです。しじみが死ぬと呼吸が止まるため、砂抜きができなくなります。理想は、しじみの表面が水面からほんのちょっとだけ出るくらいの浅さを確保することです。

④暗くしていない

すべてのケースに当てはまるわけではないですが、あまりに明るすぎる部屋で砂抜きを行うと失敗することがしばしばあります。しじみはもともと夜行性ですから、暗いところのほうが活動が活発になり、砂の吐き出しがスムーズになるわけです。どうしても明るい場所で砂抜きをする場合は、ボウルやバットの上から新聞紙を被せて暗所をつくりましょう。

⑤温度が低すぎる

しじみの砂抜きは常温で行うようにしてください。冷蔵庫で冷やしたり、氷水の超低温で砂抜きしたりするのはNGです。しじみの活動が鈍くなります。

⑥振動を与えている

しじみの砂抜きは振動を可能なかぎり抑えた場所で行いましょう。無駄に振動が多いところだと、しじみがびっくりして砂を吐き出してくれません。

⑦水のカルキ分が強い

地域によって水のカルキが濃い場合もあります。カルキが濃いとしじみが中々砂を吐かないことがあるようです。気になる方は市販の水を使うか、汲み置きしてカルキを抜いた水を使いましょう。

しじみの正しい砂抜き手順

あらためて、しじみの砂抜きで失敗しない手順を紹介します。

砂抜きに必要な道具

  • ザルが入るボウル(できるだけ平らなタイプを。理想はバット)
  • ボウルに収まるザル
  • 塩(1000ccあたり小さじ2杯)

砂抜きする手順

ポイントは重ならないようにしじみを並べること。重ねると、上のしじみが吐き出した砂や老廃物を、下のしじみが吸い込んでしまうのです。

  1. ボウルに食塩水を満たす
  2. 重ならないようにしじみを並べる
  3. 暗所にて常温で1~3時間ほど放置する
  4. 濡れ布巾をかけてさらに1~3時間放置して旨味を出す

さいごに

僕は網走湖で五代続くしじみ漁師をやっています。自他共に認める「しじみバカ」で、日本の食文化を縄文時代から支えてきたしじみを後世に伝えるべく、日々活動しています。

みなさん、日本のしじみが現在では希少な水産資源であることをご存じでしたか?スーパーに流通して一般的に手に入るしじみのほとんどが輸入品で、国産しじみを簡単に手に入れることが難しくなっています。

しじみは、実はすごく水質に敏感な生き物なんです。珍しい環境でしか育たないため、生産のコントロールが難しいといわれています。

しじみの味噌汁を口にしたときの「っあ~~!」と思わず漏れるあの美味しさ。しじみを味わう感性は、何万年もの時を経て僕たち日本人が受け継いできたDNAのおかげかもしれません。

そんな日本の「しじみ文化」を、後世に伝えていく。それこそが、僕の使命だと思っています。この記事を通じて、一人でも多くの方が、しじみの現状について知っていただければ、とてもうれしいです。

さいごに
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