「しじみの砂抜きが面倒くさい!」「そのまま食べちゃってもいいかな?」という方のために、北海道網走で五代続くしじみ漁師がお答えします!
目次
結論:しじみは砂抜きしなくても食べられる
しじみは砂抜きしなくても食べることができますが、あまりおすすめしません。砂のジャリジャリが食感を妨げますし、何よりせっかくの旨味成分を純粋に楽しめなくなります。
しじみは「コハク酸」をはじめとする旨味がぎゅっと詰まった美味しい食材です。しっかり砂抜きすれば、「あ~っ」と息をもらすほどの奥深い味わいを堪能できますよ。汁ものでしじみを使うならなおさらです。多少面倒かもしれませんが、しじみはしっかり砂抜きしておきましょう。
しじみの砂抜きは実は結構シンプルで簡単です。以下に必要な道具と手順を紹介しましょう。
生きたしじみを砂抜きする方法
しじみの砂抜きのポイントは「塩分を加えた水」です。もともとしじみは、海水と真水が入り混じる独特の環境「汽水湖」に暮らす生き物ですから、砂抜きで塩を加えるのは、しじみの環境を再現する意図があります。
砂抜きに必要な道具
- ザルが入るボウル(できるだけ平らなタイプを。理想はバット)
- ボウルに収まるザル
- 水
- 塩(1000ccあたり小さじ2杯)
砂抜きする手順
ポイントは重ならないようにしじみを並べること。重ねると、上のしじみが吐き出した砂や老廃物を、下のしじみが吸い込んでしまうのです。
- ボウルに食塩水を満たす
- 重ならないようにしじみを並べる
- 暗所にて常温で1~3時間ほど放置する
- 濡れ布巾をかけてさらに1~3時間放置して旨味を出す
「暗所」もまたポイントの一つです。しじみは夜行性ですから、あまりに明るすぎると動きが鈍くなり、砂抜きがうまくいかなくなる恐れがあります。昼間に行うときは、ボウルの上に新聞紙をかけたり、暗所に移動させたりしましょう。
しじみを砂抜きしないで冷凍した場合も調理可能
「生のしじみを貰ったんだけど、いまは調理しないからすぐに冷凍してしまいたい」ということもあるかもしれません。できるなら砂抜きしてから冷凍することをおすすめしますが、どうしても面倒なら砂抜きせずに冷凍してもOKです。
ただし、砂抜きしなかった冷凍しじみを調理に使用する際は、けっきょく最後は砂抜きをしないと美味しく食べることができません。以下にそのケースについて解説します。
砂抜き前に冷凍したしじみを砂抜きする方法
ポイントは「冷凍しじみを一気に茹でて濾す」こと。茹でるとしじみが口をパカっとあけるので、貝殻内に溜まった砂を取り出すことができますよ。ゆで汁にはしじみの旨味が溶け出しているので、捨てずに料理に使いましょう。
砂抜きに必要な道具
- 鍋
- 水
- ボウル
- ザル
砂抜きする手順
- 冷凍しじみを鍋に入れて沸騰させる
- 沸騰したら鍋の中身をザルに入れてボウルにお湯をこしだす
- 最後にしじみをザルからすくいあげて料理に使う
さいごに
僕は網走湖で五代続くしじみ漁師をやっています。自他共に認める「しじみバカ」で、日本の食文化を縄文時代から支えてきたしじみを後世に伝えるべく、日々活動しています。
みなさん、日本のしじみが現在では希少な水産資源であることをご存じでしたか?スーパーに流通して一般的に手に入るしじみのほとんどが輸入品で、国産しじみを簡単に手に入れることが難しくなっています。
しじみは、実はすごく水質に敏感な生き物なんです。珍しい環境でしか育たないため、生産のコントロールが難しいといわれています。
しじみの味噌汁を口にしたときの「っあ~~!」と思わず漏れるあの美味しさ。しじみを味わう感性は、何万年もの時を経て僕たち日本人が受け継いできたDNAのおかげかもしれません。
そんな日本の「しじみ文化」を、後世に伝えていく。それこそが、僕の使命だと思っています。この記事を通じて、一人でも多くの方が、しじみの現状について知っていただければ、とてもうれしいです。
しじみ粥が8.68倍ウマイ理由とは?北海道網走で採れたしじみのヒミツ
しじみバカがつくった、しじみ粥。“バカ”って、まっすぐなエネルギーに満ちた言葉だと思うのです。 僕は毎日、燃えています。故郷の網走でとれたしじみが世界一なんだって、世界中の人たちに自慢したい。情熱とバカは紙一重……どころか、まったく一緒だと思うんです。 『しじみ粥』を作ったのは、僕のしじみへの情熱とエネルギーを、なんとかしてみなさんにお届けしたかったから。「世の中にはこんなバカもいるんだな」と、笑ってほしかったから。そして、『しじみ粥』を食べた人も、プレゼントした人も、日本を元気にする“バカ”になってほしかったから。 どうかみなさんも、『しじみ粥』で、一緒にバカになってください!元気があればなんでもできる!バカになればなんでもやれる!