しじみの砂抜きが失敗すると、砂が残った状態で調理をすることになります。食べたときのジャリジャリっとした歯ごたえが、ちょっと嫌な食感に…。今回は、しじみバカこと現役漁師の嶋田が、しじみの砂抜きに失敗しないコツを紹介しましょう。
目次
しじみの砂抜きに失敗しないコツ7選
しじみの砂抜きで失敗しないコツは、合計7点あります。最低限でもこれらを守れば、砂抜きに失敗するリスクは防げるでしょう。
①真水で砂抜きしない
「塩の濃度がよくわからないし、面倒だから真水で砂抜きしちゃおう」と考えているそこのあなたは要注意!たしかに砂抜きは真水でも可能ですが、砂と一緒にしじみの旨味まで逃げてしまいますよ。なぜ塩を加えた水で砂抜きをするのか。それは、しじみの浸透圧を調整するためだからです。
②塩を入れすぎない
真水はだめだからといって、濃度の高い塩水で砂抜きをするのもNGです。塩分が濃すぎると、しじみが弱ってしまい、ちゃんと砂を吐き出せなくなってしまいます。理想の塩分濃度は、1000ccの水に対して小さじ2杯程度の塩が目安です。
③砂抜きの時間は1~3時間で済ませる
ありがちなのが、夜にしじみの砂抜きを始めて、「明日の朝まで放っておけば完璧に砂は抜けるだろう」という算段です。気持ちはわからなくないですが、しじみの砂抜きは1~3時間くらいを目途に済ませるのがベターです。
なぜなら、長時間砂抜き水を放置していると、しじみ達が吐き出した水で汚れてしまうからです。水質が悪化すると味が落ちたり、しじみが死んでしまったりする恐れがあります。
④死んだしじみ(ガボ)を取り除いてから砂抜きする
すべてのしじみが元気なわけではありません。死んだしじみが混ざっていると菌が繁殖して臭みが増し、それだけで食べられなくなってしまうんですよ。僕たち漁師は死んだしじみを「ガボ」「ガッポ」「バクダン」なんて呼びます。
ではどうやって死んだしじみを判別するかといいますと、
- 貝が開いている
- 変な臭いがする
- 水管が出たままになっている
がポイントですね。たまに死んだしじみが混ざっているので、砂抜き前に注意深くチェックしてください。
⑤常温で砂抜きを行う
冷たい水で砂抜きをしたり、砂抜き中に冷蔵庫に入れたりするのもNGです。しじみの動きが活発になり、正常に砂抜きを行える適温は20度前後といわれています。常温での砂抜きを心がけましょう。
⑥重ならないようにしじみを並べる
しじみを砂抜きするときは、しじみを可能な限り重ねないようにして並べましょう。上下に重ねてしまうと、上のしじみが吐き出した砂を、下のしじみが吸い込んでしまうからです。これではせっかくの砂抜きも効果が半減ですよね。
たくさんのしじみを一度に砂抜きする場合は、ボウルを複数用意して、別々に砂抜きを行うようにしてください。
⑦砂抜き中は暗いところに置く
もともとしじみは夜行性の生き物です。明るすぎる場所で砂抜きをすると、しじみの活動が鈍り、砂抜きがうまくいかない可能性があります。夜に砂抜きするときはキッチンライトを消し、昼間に砂抜きする場合は新聞紙やタオルをかぶせて暗くするのがコツです。
しじみの砂抜きに失敗しないための手順
しじみの砂抜きに必要な道具と、砂抜きの正しい手順を紹介します。
しじみの砂抜きに必要な道具
- バット
- 浅いザル
- しじみ
- 水(水道水でも可)
- 塩(1000ccに対して小さじ2杯)
しじみの砂抜きの正しい手順
- バットに塩分濃度1%の塩水を作る
- 浅いザルに重ならないようにしじみを入れて、ザルごとバットに沈める
- 1~3時間くらい塩水に漬けて完成
さいごに
今回はしじみの砂抜きに失敗しないコツを7つ紹介しました。大切なのは、しじみが砂抜きしやすい“環境”を整えることです。しじみのことなら、五代続くしじみ漁師の嶋田漁業部におまかせください!
しじみ粥が8.68倍ウマイ理由とは?北海道網走で採れたしじみのヒミツ
あらためまして、嶋田一生と申します。自他共に認める「しじみバカ」で、網走湖で五代続くしじみ漁師をやっています。 しじみバカがつくった、しじみ粥。“バカ”って、まっすぐなエネルギーに満ちた言葉だと思うのです。 僕は毎日、燃えています。故郷の網走でとれたしじみが世界一なんだって、世界中の人たちに自慢したい。情熱とバカは紙一重……どころか、まったく一緒だと思うんです。 『しじみ粥』を作ったのは、僕のしじみへの情熱とエネルギーを、なんとかしてみなさんにお届けしたかったから。「世の中にはこんなバカもいるんだな」と、笑ってほしかったから。そして、『しじみ粥』を食べた人も、プレゼントした人も、日本を元気にする“バカ”になってほしかったから。 どうかみなさんも、『しじみ粥』で、一緒にバカになってください!元気があればなんでもできる!バカになればなんでもやれる!