味噌汁の具材で馴染み深い食材の一つ、「しじみ」。
この小さい体に秘めた栄養ははかり知れず、オルニチン酸による二日酔い対策やたんぱく質、必須アミノ酸もバランスよく保有しています。
健康に良いだけにとどまらず、しじみは旨味成分もたくさん含まれています。なので、料理にも大いに生かすことができる優秀な食材なのです。
身近にある食材ではあるものの、意外と「しじみ」のことを知らない人は多いのではないでしょうか。
今回は、しじみの基本情報である、種類・生態・魅力・栄養・旬・産地・漁獲方法まで
網走湖しじみ漁師(通称:しじみバカ)が全てを語ります。
まずは、しじみを知ってみてください。
あなたも、しじみバカになりませんか?(左がしじみバカの嶋田です)
しじみの種類
日本には3種類のしじみが存在します。
「セタしじみ」、「マシジミ」、そして僕たち網走の漁師が漁獲している「ヤマトしじみ」。
セタしじみは琵琶湖が主な生息地であり、マシジミは絶滅危惧種に指定されています。今現在全国的に分布しているしじみはヤマトしじみだけなんです。
3種類のしじみについて詳しくは以下の記事で解説しています、僕と一緒にしじみバカになりたい方はぜひご覧ください。
しじみの生態
しじみにはオス、メスの性別があり、魚と同じように卵からかえります。しかし、しじみが生まれるにはいくつかの条件があります。例えば、「水温が25℃以上であること」、「卵の中と外の水の浸透圧がほぼ等しい(塩分濃度がある一定の間)」など。
また、無事生まれたとしてもしじみの寿命は長くても10年程度とされており、意外と短命。
ちなみに、しじみの貝殻には輪脈と呼ばれる、木の年輪のようなものがあります。冬を1回超える度にこの輪脈に段差ができ、しじみの年齢がわかるんです。
かなりマニアックな話ですが、しじみの生態は意外と面白いのでちょっと寄り道していきませんか?
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しじみの魅力
しじみは数多くの魅力がありますが、ここでは大きく4つ紹介します。
- うまい
- 体に良い
- 安心・安全
- 料理が簡単
それぞれ見ていきましょう。
うまい
しじみは昔から味噌汁やすまし汁で食卓に並ぶことの多かった食品です。そのため、「日本の味」、「おふくろの味」と感じる人も多いでしょう。
あさりなど他の貝類に比べても、味が濃厚で、多くの和食に合います。
体にいい
しじみはタンパク質や必須アミノ酸9種全てをバランス良く保有しています。具体的には、カルシウム・鉄・ビタミンB12などが多く含まれており、体にいい食べ物です。
安心・安全
日本国内のしじみは農薬も化学肥料も使っていない、オーガニックな食品です。
しじみの主な餌は栄養塩や植物プランクトンですが、この餌の中に人体に悪い影響を与えるものは無く安心・安全に食べることができる食品なんです。
ただし、外国産のしじみはこの限りでは無いのでご注意ください。
料理が簡単
主婦の方が最も嬉しいポイントではないでしょうか。味噌汁やすまし汁で使用されることが多いしじみですが、作り方はとても簡単。しじみを入れたお湯を沸騰させて、貝殻が空いたらアクを取って味噌を入れれば完成。
しじみ自体がダシの役割を果たすので、簡単に美味しい汁物を作ることができ、包丁などを使わないことから洗い物も少ない。まさに主婦の味方ですね。
しじみ料理はこちらの記事を参考にしてください。
しじみの栄養
しじみの味噌汁は二日酔いに効く、という話を聞いたことがあるでしょうか。実は、しじみにはアミノ酸の一種である「オルニチン」が含まれており、このオルニチンが肝臓の働きをサポートするから、二日酔いに効くんです。
しじみは同じ貝のあさりと混同されることが非常に多いです。ですが、含まれているアミノ酸はあさりが「タウリン」、しじみが「オルニチン」など細かな違いがあります。
詳しくは以下の記事で比較しているので、参考にしてみてください。
また、スーパーで購入できる貝類についての栄養素は以下の記事でまとめています。ダイエットにも役立つ貝の紹介もしているので、ぜひご覧ください。
また、栄養はそのしじみが旬かどうかによって含まれる量も変わります。次の項目ではしじみの旬について紹介します。
しじみの旬
しじみは地域にもよりますが、7月〜8月が産卵期であることが多いです。網走湖のしじみであれば、8月は産卵直前であり、栄養と味がたくさん詰まったプリップリのしじみになります。
嶋田のしじみの魅力は、以下のページで紹介しています。おすすめの食べ方も紹介しているため、ぜひお役立てください。
しじみへの愛 | 嶋田漁業部 -しじみバカ、網走湖にあり。-網走湖以外の産地については、次の項目で紹介します。
しじみの産地
しじみは汽水域に適応した生き物であるため、普通の湖や海などには生息していません。かなり難しい条件でようやく生息できる生き物なので、「昔はしじみがたくさん獲れたけれど、今は全く漁ができない」という湖も多く存在します。
現在しじみ漁ができる主な湖の一例は「網走湖」、「十三湖」、「涸沼」、「宍道湖」、「湖山池」などなど。
詳しくは以下の記事で紹介しているので、ご覧ください。
では、しじみはどのように獲るのでしょうか?次の項目では、漁師しか知らないしじみ漁の方法をお伝えします。
しじみの漁
しじみの漁は、基本的に「ジョレン曳ひき」という方法で行われています。ジョレンと呼ばれるカゴのようなものを使い、漁を行う方法で、細かくは「入り掻き」「手掻き」「機械掻き」と分けられる3種類の漁獲方法があります。
網走湖では、全国的にも珍しい「噴流式ジョレン」を使用していましたが、最近ではさらに珍しい「プロペラ」を使用した漁に変化しています。
かなりマニアックな内容ですが、自慢の方法なのでぜひお伝えさせてください(笑)以下の記事で紹介してます!
まとめ
今回はしじみ漁師、そしてしじみバカである嶋田が、しじみについてガッツリと解説させていただきました。しじみは身近でありながら、意外と知らない一面もあったのではないでしょうか?
このサイトでは、しじみに関するお役立ち情報を数多く掲載しています!しじみについて興味が出てきた方にはぜひ読んで欲しい記事ばかりです。
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